次亜塩素酸ナトリウムとは?除菌・消臭の仕組みや次亜塩素酸水との違いをわかりやすく解説

次亜塩素酸ナトリウムとは?
除菌・消臭の仕組みや次亜塩素酸水との違いをわかりやすく解説

目次

はじめに次亜塩素酸ナトリウムは、食品工場や医療・介護施設、飲食店、一般家庭まで幅広い場所で使用されている塩素系薬剤です。

一方で、

•次亜塩素酸水との違いが分からない
•「食品添加物」と書かれている製品との違いは?
•ノロウイルス対策に使われる理由は?

など、疑問を持つ方も少なくありません。

本記事では、次亜塩素酸ナトリウムの基本から用途、特徴、関連する知識まで、分かりやすく解説します。

1. 除菌について

「除菌」とは、対象物に付着している菌やウイルスの数を減らすことを指します。
※すべての菌やウイルスを完全に取り除くことを意味するものではありません
次亜塩素酸ナトリウムは、塩素の酸化作用により微生物へ作用することが知られており、適切な濃度・使用方法でさまざまな衛生管理に利用されています。

主な使用場所
•食品工場
•飲食店
•医療・介護施設
•学校・保育施設
•一般家庭

2. 次亜塩素酸ナトリウムのウイルス・菌への効果

次亜塩素酸ナトリウムは、有効成分である「次亜塩素酸イオン」が、酸化作用により菌やウイルスなどの微生物へ作用するとされている、塩素系の除菌剤です。
調理器具や設備、ドアノブ、床など、用途に応じた衛生管理に広く活用されています。

ただし、期待される効果を得るためには、適切な濃度や接触時間、使用方法を守ることが重要です。
また、対象物に油汚れや食品残渣などの有機物が多く付着している場合は、有効成分が消費されやすくなるため、十分な作用が得られないことがあります。

なお、次亜塩素酸ナトリウムは万能ではなく、液体の濃度や使用する対象物の材質によっては、変色や腐食の原因となる場合があります。
使用前には製品の注意事項を確認し、適切な方法で使用することが大切です。

3. 消臭について

臭いの原因は、菌だけではありません。生ごみや排水口、トイレなどでは、臭いの原因物質が発生しています。
次亜塩素酸ナトリウムは、臭いの原因となる物質を酸化することで消臭効果が期待される場合があります。

消臭に利用される例 ※臭いの種類や原因によって効果は異なります
• 排水設備
• ゴミ置き場
• トイレ
• 厨房
• 食品工場

4. 除菌と抗菌の違い

混同されやすい言葉ですが、意味は異なります。

用語 意味
除菌 菌やウイルスの数を減らし不活化(死滅)するこ
抗菌 菌の増殖を抑えること

「抗菌」加工された製品であっても、既に付着している菌を取り除くことを意味するものではありません。
用途に応じて適切に使い分けることが大切です。

5. 次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水の違い

混同されやすい2つですが、性質は異なります。

項目 次亜塩素酸ナトリウム 次亜塩素酸水
主成分 次亜塩素酸ナトリウム(NaClO) 次亜塩素酸(HOCl)を主成分とする水溶液
pH 濃度によって弱アルカリ性~アルカリ性 生成により酸性にすることもできる 酸性〜微酸性付近(製法による)
用途 衛生管理・設備・器具など 用途・製品仕様による
使用方法 用途に応じ超低濃度に希釈して使用する製品が多い 製品表示に従う

両者は名称が似ていますが、性質や用途が異なるため、製品表示を確認して使用することが重要です。

6. 次亜塩素酸ナトリウムの食品添加物とは

食品添加物として指定されている次亜塩素酸ナトリウムは、食品衛生法に基づき使用基準が定められています。

主に、
•野菜・果物の洗浄   •食品製造工程   •食品加工設備
などで使用されます。
なお、食品添加物として使用する場合には、
•使用基準   •濃度   •使用方法
を遵守する必要があります。

家庭用や業務用の除菌剤とは用途や表示が異なる場合があるため、製品表示を確認してください。

7. 主なウイルス・細菌と次亜塩素酸ナトリウムによる衛生管理

Ⅰ. インフルエンザウイルス

① 症状
インフルエンザは、38℃以上の発熱、悪寒、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状が特徴です。
咳やのどの痛み、鼻水などの呼吸器症状を伴うこともあります。

② 次亜塩素酸ナトリウムは衛生管理に用いられる?
インフルエンザウイルスが付着した可能性のあるドアノブや手すり、テーブルなどの環境表面の衛生管理に、希釈した次亜塩素酸ナトリウムが使用されることがあります。

③ 除菌・衛生管理の方法
・ドアノブや手すりなど共用部分の清拭
・テーブルや机などの定期的な衛生管理
・手洗い・換気など基本的な感染対策

④ 流行時期
例年12月~3月頃(地域や年によって異なります)

Ⅱ. O-157(腸管出血性大腸菌)

① 症状
腹痛、水様性下痢、血便などを引き起こすことがあり、重症化すると合併症を生じる場合があります。

② 次亜塩素酸ナトリウムは衛生管理に用いられる?
食品工場や飲食店などでは、調理器具や設備などの衛生管理に次亜塩素酸ナトリウムが広く使用されています。

③ 除菌・衛生管理の方法

・包丁・まな板など調理器具の衛生管理
・作業台やシンクの清掃・除菌
・十分な手洗い
・食材の適切な温度管理

④ 発生しやすい時期
5月~9月頃(特に夏季)

Ⅲ. ロタウイルスなど胃腸炎の原因となるウイルス

① 症状
下痢、嘔吐、腹痛、発熱などを引き起こすことがあります。

② 次亜塩素酸ナトリウムは衛生管理に用いられる?
嘔吐物や便で汚染された場所、トイレ、共用部分などの衛生管理に次亜塩素酸ナトリウムが使用されることがあります。

③ 除菌・衛生管理の方法
・嘔吐物・便の適切な処理
・トイレや床の清拭
・手洗いの徹底
・共用部分の衛生管理

④ 流行時期
11月~4月頃(ウイルスの種類によって異なります)

Ⅳ. 手足口病

① 症状
手のひら、足の裏、口の中などに発疹や水疱が現れ、発熱を伴うことがあります。
乳幼児を中心に流行します。

② 次亜塩素酸ナトリウムは衛生管理に用いられる?
手足口病の原因となるエンテロウイルスはアルコールが効きにくい場合があるため、環境表面の衛生管理では希釈した次亜塩素酸ナトリウムが使用されることがあります。

③ 除菌・衛生管理の方法

・おもちゃやドアノブなど共用物の清拭
・手洗いの徹底
・タオルの共用を避ける
・汚染物の適切な処理

④ 流行時期
5月~8月頃(特に夏季)

Ⅴ. ノロウイルス

① 症状
激しい嘔吐、下痢、腹痛などを引き起こす代表的な感染性胃腸炎の原因ウイルスです。

② 次亜塩素酸ナトリウムは使用される?
ノロウイルスによる汚染が疑われる場所の衛生管理については、次亜塩素酸ナトリウムが使用されています。

③ 除菌・衛生管理の方法

・嘔吐物・便の適切な処理
・トイレや床の清拭
・ドアノブ・手すりなど共用部分の衛生管理
・石けんによる十分な手洗い

④ 流行時期
11月~2月頃(冬季を中心)


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8. O-157やノロウイルスなど食中毒・胃腸炎の原因となる細菌・ウイルスの衛生管理で使用される理由

O-157(腸管出血性大腸菌)やノロウイルスは、食中毒や胃腸炎の原因となる代表的な病原体として知られています。
これらは、食品や調理器具、設備、人の手などを介して広がることがあるため、食品工場や飲食店、給食施設などでは日常的な衛生管理が重要とされています。

次亜塩素酸ナトリウムは、有効成分の酸化作用により、細菌やウイルスに作用することが知られています。
特に、ノロウイルスについては、エンベロープ(脂質膜)を持たないウイルスであるため、一般的なアルコール消毒では十分な効果が得られにくい場合があることから、厚生労働省でも、汚染が疑われる場所の消毒方法として用途に応じた次亜塩素酸ナトリウムの使用が案内されています。

衛生管理で使用される主な場所
•包丁・まな板などの調理器具
•作業台・シンク
•食品加工設備
•厨房内の共用設備
•トイレや手洗い設備
•嘔吐物などで汚染された場所(公的機関が示す方法に従って処理する場合)

9. 生乾き臭とモラクセラ菌について

Ⅰ.部屋干しでなぜ生乾き臭がするのか?

洗濯物を部屋干ししたときに感じる、いわゆる「生乾き臭」は、衣類に残った汚れや微生物などが関係しています。
洗濯後の衣類には、落としきれなかった皮脂やたんぱく質などの汚れが残っていることがあります。
さらに、部屋干しでは屋外に比べて洗濯物が乾くまでに時間がかかりやすく、衣類が湿った状態が長時間続くことがあります。
こうした水分や汚れが残った環境では、衣類に付着している細菌が増殖しやすくなり、その過程で発生する物質が生乾き臭の原因になると考えられています。

生乾き臭に関係する細菌の一つとして知られているのが、「モラクセラ菌」です。

生乾き臭が発生しやすくなる主な条件
•洗濯物が乾くまでに時間がかかる
•洗濯槽に汚れが蓄積している
•衣類に皮脂などの汚れが残っている
•洗濯後、濡れた状態で長時間放置する
•洗濯物同士の間隔が狭く、風通しが悪い
•室内の湿度が高い

そのため、生乾き臭を抑えるには、洗濯するだけでなく、洗濯後の衣類をできるだけ早く乾かすことも重要です。

Ⅱ. モラクセラ菌とは?

モラクセラ(Moraxella)は細菌の一群で、人の皮膚や生活環境など身近な場所に存在するものがあります。
洗濯物の生乾き臭との関係では、モラクセラ菌が主な原因になります。衣類などに残った細菌が、湿気や皮脂などの条件がそろった環境で増殖することで、生乾き臭に関係する物質が生じることがあります。また、モラクセラ菌は、乾燥や紫外線に強い細菌です。天日干ししてもなかなか死滅はしません。

そのため、洗濯直後には気にならなかった臭いが、部屋干ししている間や衣類を使用した際に気になる場合があります。

生乾き臭の原因がすべてモラクセラ菌というわけではありません。 衣類に残った汚れやほかの微生物、乾燥環境など、複数の要因が関係します。

Ⅲ. モラクセラ菌はどこに存在する?

モラクセラ属の細菌は身近な環境に存在するため、完全に生活環境から取り除くことはできません。

洗濯物の臭いという観点では、次のような場所・物に注意するとよいでしょう。
•衣類
•タオル
•バスタオル
•洗濯槽
•洗濯かご
•水分や皮脂汚れが残りやすい場所

特に、濡れたタオルや衣類を長時間放置する環境では、細菌が増殖しやすくなります。

使用後のタオルや衣類を湿ったまま洗濯かごなどに長時間置かないことや、洗濯後は速やかに乾燥させることが、生乾き臭を防ぐための基本的な対策になります。

Ⅳ. モラクセラ菌に次亜塩素酸ナトリウムは効果がある?

次亜塩素酸ナトリウムは、酸化作用を利用した塩素系薬剤で、さまざまな場所の衛生管理に使用されています。
モラクセラ属を含む細菌への作用についても、適切な濃度や接触時間など一定の条件下では、次亜塩素酸ナトリウムによる処理が不活化(死滅)や細菌数を減らすための方法の一つとなります。

ただし、ここで注意したいのが、「次亜塩素酸ナトリウムが使用できる」ことと、「すべての衣類に使用できる」とは別こという点です。

次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤の濃度によっては、衣類の素材の色落ちや変色、生地への影響が生じる可能性があります。そのため、衣類などに使用する場合、次亜塩素酸ナトリウムの濃度は、超低濃度であることと製品の用途や衣類の洗濯表示を確認する必要があります。
また、生乾き臭への対策は次亜塩素酸ナトリウムなどによる対策だけではなく

•衣類の汚れをしっかり落とす
•洗濯後は放置せず、すぐに干す
•洗濯物同士の間隔を確保する
•サーキュレーターや除湿機などを活用して乾燥時間を短くする
•洗濯槽を定期的に清掃する

といった日常的な洗濯・乾燥方法を組み合わせることも重要です。

次亜塩素酸ナトリウムを使用する場合は、希釈する濃度に十分注意した上で、次亜塩素酸ナトリウム製品の表示に記載された用途・濃度・使用方法を確認し、使用できるかどうかを確認したうえで部屋干し臭対策に使用してください。

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10.使用時の注意事項

次亜塩素酸ナトリウムを使用する際は、以下の点に注意してください。
•酸性タイプの洗剤と混ぜない
•製品ラベルに記載された使用方法を守る
•用途に応じた適切な濃度で使用する
•換気を行いながら使用する
•手袋など必要な保護具を着用する
•直射日光や高温を避けて保管する
•子どもの手の届かない場所で保管する

まとめ

次亜塩素酸ナトリウムは、食品工場や飲食店、医療・介護施設など、さまざまな現場の衛生管理で広く使用されている塩素系の除菌剤です。
適切な濃度や使用方法を守ることで、調理器具や設備、環境表面などの衛生管理に活用されています。
また、次亜塩素酸ナトリウムは消臭や食品添加物としての用途もありますが、次亜塩素酸水とは成分や性質、用途が異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで使い分けることが大切です。

O-157やノロウイルス、インフルエンザ、ロタウイルスなど、食中毒や感染性胃腸炎の原因となる細菌・ウイルスの衛生管理においても、用途に応じて活用されています。
ただし、期待される効果を得るためには、製品ラベルや取扱説明書に従い、適切な濃度・方法で使用するとともに、安全上の注意事項を守ることが重要です。

FAQ

Q1. 次亜塩素酸ナトリウムと漂白剤は同じですか?

家庭用の塩素系漂白剤には、主成分として次亜塩素酸ナトリウムが使用されている製品があります。
ただし、濃度や添加成分、用途は製品によって異なります。

Q2. 次亜塩素酸ナトリウムはそのまま使用できますか?

製品によって異なります。
希釈が必要な製品もあるため、必ず製品表示や取扱説明書に従って使用してください。

Q3. 次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水は同じですか?

いいえ。
名称は似ていますが、成分の状態や性質、用途が異なるため、同じものではありません。

Q4. 保管時の注意点はありますか?

直射日光や高温を避け、密栓して保管してください。
製品ごとの保管条件については、ラベルや販売元の商品ページなどを確認してください。

Q5. 酸性洗剤と一緒に使えますか?

超低濃度以外は使用できません。
濃度が高い次亜塩素酸ナトリウムと酸性の製品と混合すると、有害な塩素ガスが発生するおそれがあります。

Q6.手指や皮膚に直接使用できますか?

除菌剤は、雑貨品に該当します。
薬機法は、雑貨品について手指・皮膚へ直接使用することを認めていません。

スリーフ(Sourif)について

食品添加物試験に合格した次亜塩素酸ナトリウムと超純水で超低濃度(200ppm)に生成された除菌消臭に効果のある液剤です。
さまざまな安全試験とウイルス・菌の試験を受けてその効果を確認しています。


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