除菌とはどのような作用のことか、殺菌・抗菌・滅菌との違いも含めて知りたい方に向けて解説する記事です。
売り場に行くと「除菌」「殺菌」「抗菌」「滅菌」「消毒」など、さまざまな表現のされた商品が並んでいることでしょう。
そこで「一番効果が高いのはどれか？」と悩んだことはありませんか？
せっかく買うなら、一番効果的なものを選びたいと思われるはずです。
しかしいずれも菌やウイルスに働きかける商品との想像はついても、正確な作用をご存知の方は多くないのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、除菌とは・殺菌とは・抗菌とは・滅菌とはの4つの観点から、作用を解説していきます。
それぞれの作用の違いを知りたい、効果の高いものを選びたいと悩んでいる方は、悩みが解消されて選ぶべき製品がわかるはずです。
除菌とは
まず除菌とは、菌やウイルスの数を減らすことを指します。
食器用・選択用洗剤やアルコールスプレー、アルコール入りのウェットティッシュなどでよく見られる表現です。
日本石鹸洗剤工業会によると、除菌表示ができる定義は次のとおりとされています。
※ 洗剤・石けん公正取引協議会が定義する除菌とは「物理的、化学的または生物学的作用などにより、対象物から増殖可能な細菌の数（生菌数）を有効数減少させること」です。
（なお、この細菌にはカビや酵母などの真菌類は含まれません。）
菌やウイルスを除去するという意味では、殺菌も除菌に含まれます。
しかし医薬品・医薬部外品でなければ「殺菌」の表現は使えません。
そのため「菌やウイルスを完全に除去するわけではないものの、数を減らす」との意味を持つ「除菌」が使われます。
殺菌とは
殺菌とは菌やウイルスを殺す作用のことです。
薬機法により医薬品や医薬部外品のみでうたえる表示なので、薬や薬用製品でよく見られます。
殺す対象となる菌やウイルスの対象は限定されていません。
またどれだけの対象物を殺すかとの定義も決められていないため、すべての菌を殺していなくても殺菌したといえます。
たとえ複数種類の菌が混在していたとして、1種類のみの菌の一部を殺したとしても、殺菌作用があると表現できるのです。
抗菌とは
抗菌とは菌の増殖を抑える作用のことを指します。
菌やウイルスが居づらい、増殖しにくい環境を作り出す作用を持つ製品にて抗菌との表示がなされます。
抗菌とはあくまでも「菌の増殖を抑える」ことが目的です。
そのため今すでにいる菌やウイルスに対して、殺したり、除去したりする作用は期待できません。
またカビの原因となる真菌類は、抗菌の作用対象外とされており、カビには効果がないと考えられます。
ただし抗菌とは近年になり使われだした表現です。
薬事法でも抗菌とは「抗生物質などの薬物」としての意味で使用されると定義づけられています。
そのため抗菌作用に対しての定義や認識はあいまいであり、おおむね「菌の増殖を抑制する」との認識に過ぎません。
メーカーや製品により抗菌作用について違いはありますが、言わば「菌が繁殖しないよう予防するために使う製品」だと言えるでしょう。
滅菌とは
滅菌とは菌・ウイルス・微生物のほぼすべてを殺したり、除去したりする作用のことを指します。
実際にはすべての微生物をゼロにすることは大変難しく、滅菌の基準は「微生物数が100万分の1」になることとしています。
今回の記事で紹介した4つの菌・ウイルスに対する作用のうち、最も強力であるのが滅菌です。
滅菌効果を与えるための方法は、次のとおり非常に多種多様です。
【滅菌方法の種類】
- ・湿熱滅菌法
- ・乾熱滅菌法
- ・高周波滅菌法
- ・酸化エチレンガス滅菌法
- ・過酸化水素滅菌法
- ・放射線滅菌法
- ・濾過法
以上のようにさまざまな方法があります。
しかし一般的な市販品で滅菌の作用を与えられているものは多くありません、
滅菌されたものは限りなく菌・ウイルスがゼロに近い状態となっています。
作用を及ぼすのは病原体となる菌・ウイルスだけでなく、病原体にならないその他の微生物も含まれます。
そのため手術や治療などに用いる医療用品には、「滅菌」の表現がなされているものがほとんどです。
消臭について
除菌について解説しましたが、下記の記事では消臭について解説しています。
臭いでお困りの方や、掃除する際に知っておきたい方は、ぜひこちらを参考にしてください。
関連記事：消臭とはどのような作用・定義のこと？
除菌とは？殺菌・抗菌・滅菌とは違いを知って活用を
いかがでしたでしょうか？
この記事を読んでいただくことで、除菌・殺菌・抗菌・滅菌の違いがご理解いただけたと思います。
除菌とは市販品で見られる表示で最も身近でしょう。
キュービックスクエアでは、除菌スプレーを販売しているので、身の回りを清潔に保ちたい方はぜひご活用ください。